属性文法を基にした制御系向け階層型プログラミング(3)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ソフトウェアに対する要求の正当性や実現可能性を高める仕様記述手法のひとつとして操作的手法がある。操作的手法に基づく仕様記述については、これまでも数多くの提案がなされてきたが、これらは我々が対象とするFA(Factory Automation)システム、即ち、制御対象がどのような状態にあるかを判別しその状態の組み合わせにより次の動作を決定するようなシステムの仕様を記述するには、十分満足できるものとは言い難かった。そこで、我々は状態をモジュール分割条件とした属性文法計算モデルに基づいた仕様記述言語を提案し[1]、その有効性を確認してきた。通常処理の記述に関してはその効果が十分確認できたものの、制御システムの特徴である例外処理、中でも、ハードウェア異常の検知に用いられるタイマ割り込みによるタイムアウト処理については、うまく記述できないという問題があった。つまり、タイムアウト処理の記述については、タイマ割り込みが発生した場所、即ち、通常処理を記述する場所とは異なったところに記述しなければならずシステム全体の可読性を低下させていた。実現しようとする機能を主体に考えた場合、システム仕様としては、例外処理と通常処理は区別されることなく対比的に並べて記述できたほうが、システム全体の見通しはよい。そこで、[1]の枠組み、即ち、状態の組み合わせに対して次の動作を決定する手法の中で、タイムアウトに関する記法を付加し、制御系向け仕様記述言語の拡張を行った。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-09-04
著者
-
中川 裕之
キヤノンソフトウェア株式会社システム研究所
-
田中 裕之
キヤノンソフトウェア株式会社システム研究所
-
白倉 隆雄
キヤノンソフトウェア株式会社システム研究所
-
田中 裕之
キャノンソフトウェア株式会社 システム研究所
-
白倉 隆雄
キャノンソフトウェア株式会社 システム研究所
-
中川 裕之
キャノンソフトウェア株式会社 システム研究所
関連論文
- 拡張1パス型属性文法に基づくコンパイラ生成系の実現
- 属性文法を基にした制御系向け仕様記述のビジュアル化
- 属性文法を基にした制御系向け階層型プログラミング(3)
- 拡張1パス型属性文法によるコンパイラ生成系の実現
- 属性文法を基にした制御系向け階層型プログラミング(2)
- 属性文法を基にした制御系向け階層型プログラミング(1)
- オブジェクト図とペトリネットを用いたシステムの表現方法の提案