実行可能な形式仕様言語cafeOBJ(3) : CafeOBJによるオブジェクト指向システムの仕様記述ライブラリの記述

概要

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情報処理振興事業協会(IPA)の実行可能な形式仕様言語の研究開発プロジェクトでは、実用的な形式仕様言語システムの基幹言語として、CafeOBJを開発中である。CafeOBJは代表的な代数仕様言語OBJに・動的なシステムの進化を記述するための書き換え規則・属性が変化するオブジェクトを宣言するためのクラス構文を導入し、オブジェクト指向パラダイムの意味でのオブジェクトとその動的な振舞いを陽に記述できるようにした言語である。従来の代数仕様言語の普及の障害として、ライブラリの不備と記述例の不足が挙げられている。CafeOBJの基となっているOBJのライブラリは基本的なデータ型のみからなり、現実のソフトウェアの仕様記述を効率的に行なうには不十分といえる。CafeOBJの普及のためには、充実したライブラリと豊富な記述例は必要不可欠である。そのため、本プロジェクトではCafeOBJの開発と並行して1.ライブラリの作成2.仕様記述実験による記述例の収集を通して、CafeOBJ普及に必要な環境の整備を行なっている。本稿では、環境整備活動のうちのCafeOBJライブラリ作成の方針と現状について述べ、ライブラリ構成要素の具体例を紹介する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20