モジュールシステムを備える書換え抽象機械の提案

概要

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代数仕様言語を用いてソフトウェアの仕様を記述することで, ソフトウェアの満たすべき要件を計算機支援のもとで検証できたり, 動的な振舞いを観察することができ, ソフトウェア作成の初期の段階で多くの誤りを除去できることを期待できる.しかし, 代数仕様言語を実用に供するには, 克服しなければならない課題が残っている.書換え速度の改善もその1つで, 多くの研究が行なわれてきた.また, 実用規模のソフトウェアの仕様は巨大になり, 多くのモジュールから構成されるものと思われることから, モジュールを効率よく扱うことも克服すべき課題の1つであると考える.そこで, 我々は高速に書換えることができ, かつモジュールを効率よく扱うことのできる代数仕様言語の実現を支援する抽象機械の設計を開始することにした.本稿では, CafeOBJおよびSMLのモジュールシステムを調査・比較することで, 目的とする抽象機械の備えるべき特徴を明らかにするとともに, 抽象機械の設計の草案を記述する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-05-29