音声認識の良否の判定基準
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概要
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音声認識システムや手法の良否は音声認識率で評価されるのが通例となっている。これは、検索システムの良否を適合率だけで評価することと同じで妥当なことだとは思えない。なぜなら、例えば10個の単語を認識する音声認識システムを製作した場合、もしこの単語のどれか1つが非常に認識しにくいものであっても、他の単語が完全に認識できれば音声認識率は90%を越える。しかし、当該の単語を入力しようとすれば何度も発声を繰り返さなければならず、誰もこんなシステムを使いたいとは思わないに違いない。一般に検索システムは適合率(検索されたデータの中でユーザの要求に合致するデータの比率)と再現率(ユーザの要求に合致するデータの中で検索されたデータ中に含まれる比率)で評価されるのが普通である。もちろん、両者とも高いシステムが望まれるが、適合率と再現率は往々にしてトレードオフの関係になり、検索システム開発者は両者のバランスを図るようにするのが通例である。われわれは、音声認識システムや手法に対する評価尺度として音声認識率とは異なる新しいものを提案する。そして、検索システムと同様、音声認識率とここで提案する尺度の2つで音声認識システムの良否を判断するようにすることを提案したい。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20
著者
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