MSCとルールを併用した通信サービスの効率的開発法

概要

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通信サービスの開発において、近年、メッセージシーケンスチャート(MSC)がその理解性の良さなどから多く使われてきている。従来、MSCはシステムの粗い仕様を記述するのみに用いられることが多かったが、MSCでエラー処理を含むすべての仕様を記述しようとするアプローチも提案されている。このアプローチは到達可能解析に伴う状態爆発の問題を回避できるという点で有望であるが、記述すべきMSCの枚数が多くなり仕様の抜けなどが起こりやすくなるという問題がある。この問題を克服するために、筆者らはMSCとエラー処理を集約的に記述することのできるルールを併用した仕様記述法を提案し、その有効性を実験的に確認した。この記述法の実用性をさらに高めるためには、記述された仕様の正しさを検証する手段を与えることが不可欠である。そこで本稿では、まずルールからMSCを生成するアルゴリズムを示す。そして、MSCとルールの仕様から得られるMSC集合が、MSC集合に要求される3つの性質feasibility,consistency,completenessのうちfeasibility,consistencyを満たすための条件を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20