ベクトル計算機向き大規模疎行列の格納法
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概要
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有限要素法によって離散化して得られる大規模疎行列を係数行列とする連立方程式、あるいは固有値問題の解法として様々な反復解法が開発されてきた。それらのうち、1.vectorの内積・和・scalar倍 2.matrixとvectorの掛け算の基本算法のみから成り立っているものも少なくない。それらの反復解法をベクトル計算機上で実現する場合、2.の過程では、それに含まれる乗算、加算の順序が任意であるので様々な可能性が考えられる。1行目から順に非ゼロ要素を詰めていく方法(行方向詰)は、スカラー計算機では最も自然である。しかしこの方法では、ベクトルとの掛け算は行毎に行うことになり、ベクトル長は通常一ないし二桁程しか期待できず、ベクトル計算機の機能を活かすことが出来ない。さて、前回我々は同様な題で3種の方法(type1,2,3)を提案したが、それらを改良し高速化することができたので、それについて報告する。我々の数値実験では、最高、行方向詰の20分の1程度に計算時間を短縮できた。次節以降は、このうち最も有望と思われるtype1',4について詳しく記述する。各格納法に対応する行列とベクトルとのかけ算の非対角の部分を擬似コードで書くと以下のように書ける。type1,1',1"の場合((k++,y_i=y_i+a_k*x_j(k),for i=1,ie_l),for l=i,nl) type 3,3',4の場合((k++,y_i=y_i+a_k*x_j(k),y_j(k)=y_j(k)+a_k*x_i,for i=1,ie_l),for l=1,nl)type1系以外は対称行列の為のもので、最深DOループ内でリストベクトルjに重なりが無い事がベクトル化の必要条件である。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14
著者
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亘 紀子
日本電気技術情報システム開発(株)
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亘 紀子
NEC Scientific Information Systems Development, Ltd.
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亘 紀子
Nec Scientific Information Systems Development Ltd.
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斎藤 知哉
日本電気技術情報システム開発(株)
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