身体表現を含む動詞相当慣用句の収集と分析
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概要
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近年、実用的自然言語処理システムの開発が進むにつれ、慣用表現のように、より日常生活に密着した言いまわしを正しく処理することが求められている。慣用表現は語彙的・統語的・意味的に制約の特殊な表現のため、その処理には多くの情報が必要である。従来、これらの情報は個々の表現ごとに独立に辞書の記述されており、辞書記述の負荷が大きかった。そこで、これらの情報を整理し、まとめらめるところはまとめて記述することにより、辞書記述の負荷を削減することが求められる。現在我々も、辞書の質の向上を目指して慣用表現のような特殊な表現を収集し、それらを処理するための辞書記載の情報について研究を進めている。今回は、身体表現(手、胸などの身体の一部を指す名詞。ここでは心、息などの抽象的なものも含む)を含む以下のような動詞相当慣用句(現時点で700句近く収集)を取り上げ分析を行なった。これらの慣用句は日本語で非常に多く見られることが知られているものである。足を洗う、目が回る、息を引き取る、手を汚す、手を切る、肩の荷がおりる、顔を汚す、すねに傷を持つ、…分析の結果、身体表現の「誰々+の」による修飾に対する統語制約と意味制約との間に強い依存関係があることが分かった。以下にその内容を述べ、翻訳への適用方法を考察する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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