分散システムにおける動的改版手法
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概要
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長期的運用に耐えるシステムを実現ずるためには、要求や環境の時間的変化に対するシステムの柔軟な対応が必要である。また、継続運用されるシステムに機能の追加や変更を行なう場合、その動作を一時的に停止する方法が安全であるが、システムの大規模化、分散化にともなってシステム停止コストは増大している。さらに、分散システムにおいては、メッセージ伝達遅延のために、全システム構成プロセスにおける改版処理の同時実行は困難である。そこで、運用中の分散システムの正しい動作を保証し、停止コストの小さい改版処理手法の実現が求められている。本稿では、分散システムの各構成プロセスにおいて、動作中のプロセス(旧版プロセス)を別のプロセス(新版プロセス)に置換する以下の改版手法を提案する。(1)新版プロセスを構成プロセスごとに独立に実行開始させ、新旧両版プロセスを並行実行させる(過渡状態)。(2)未定義受信の発生により、新版プロセスの動作継続が不可能となる場合にはロールバックして、旧版プロセスに処理を継続させる。また、本手法を実現するための過渡状態における通信方法、未定義受信を生じないロールバックポイントの決定およびロールバック処理に関するアルゴリズムについて述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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