事例に基づく推論のための事例ベース構築方法
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概要
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現在,知識処理,特に,エキスパートシステムなどの分野では,比較的強力なルールベースと比較的単純な推論機構を備えたシステムが一般的である。けれども,推論の柔軟性や知識獲得の面で,多くの問題を抱えている。これに対して近年,事例に基づく推論(Case-Based Reasoning)が注目を集めるようになってきた。事例に基づく推論とは,従来の一般的なルールを用いる推論に対して,過去の経験や問題解決過程を直接利用して推論を行うものである。事例に基づく推論の特長は以下の通りである。1.一般的なルールを獲得するよりも直接的な事例を獲得する方が容易であるため,知識獲得の問題が緩和できる 2.ルールの連鎖ではなく,過去の事例の修正適用により問題解決をはかるので,推論の効率化がはかれる 3.不完全な知識のもとでも,妥当な解を得ることができる 以上の点から,事例に基づく推論は,過去の事例が豊富に存在するが,一般的な問題解決方法が存在しなかったり,問題解決に対する知識が十分ではなかったりする領域-特に設計問題などの合成型問題-に有効である。以下では,事例に基づく推論を簡単に概観し,本稿の要点となる事例ベースの構築方法について述べる。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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