水処理施設の総合設備管理システムにおける故障診断

概要

論文の詳細を見る
本研究では、上下水道施設などのプラントに発生する故障の原因推定と処置決定を計算機で支援する一方法を提案する。以下のような特徴がある。(1)過去の故障事例と一般的診断ルールを併用して診断することにより、本システム稼働当初の事例数の少なさを補完するとともに、ルールが特定施設の個性を考慮できないことを避ける。(2)各地に存在する類似の施設に発生した故障事例を、メーカー側で統合的に管理し利用することにより、全体的な事例数の少なさを補完する。(3)これらの知識を設備データ(画像を含む)などと関連させて総合的に管理することにより、適切な診断関連知識を診断者に提供する。(4)ルール、事例ともに、自然言語記述のものと、それらの内容をキーワード化したものとを用意し、前者に詳細な説明、後者に内容理解の容易さという役割を分担させる。診断はいずれの記述形式を用いても行える。(5)故障事例やシソーラスに蓄積した知識をマルチメディア情報とともに提示することで、フィールドサービスの初心者の教育にも適用できる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20