バックトラッキング機構を持ったプロダクション・システム言語
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概要
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前向きプロダクション・システムでは、各時点で実行可能なルールの中から、競合解消によってひとつのルールを選び、それを適用する、という方法で実行が進んでいく。したがって、同程度に見込みのありそうなルールが複数個あっても、それらの各々について適用を行った結果を調べることはできない。ある時点での選択が望ましいものであるかどうかは、実行が何ステップか先に進んでからでないと判断できないことも多いが、そのような場合には、一般に、細かい場合分けと、それに対応した複雑な条件部を持ったルールが多数必要になり、プロダクション・システムによる記述が非常に困難になる。このような問題点を解決するための手法として、ATMSが提案されている。ATMSを利用した場合の利点として、実行中のある時点でいくつかの選択肢が存在する場合に、各々の選択をおこなった結果を別々の『世界』として管理することができ、さらに、それらを比較して最も良いものを選べることがあげられる。しかし、各世界で共通な情報の共有が可能であるとはいえ、処理系はすべての世界の情報を保持する必要があり、実行に必要とされる記憶領域が増大するという問題がある。これに対して、単純なバックトラッキングによって、選択肢を順次試行していくという方法をとった場合には、複数の世界を比較することはできないが、処理系は、ひとつの世界の情報だけを持っていればよく、効率的な実行が可能になる。本報告では、このような考え方に基づき、プロダクション・システム言語POPS2へのバックトラッキング機構の組み込みの方法について検討し、また、実現された機構を用いたプログラミング例を紹介する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
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