CILにおける言語情報の構造と操作のモデル
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概要
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CILは、レコード構造を部分項(PST:Partially Specified Term)として表現レベルで組み込んだPrologの拡張言語である.LFGやGPSG,PATR-IIなどの最近の単一化文法に見られるように,言語情報処理においてレコード構造が重要な役割を果たすことが明らかになってきた.LFGの機能構造,GPSGの素性集合,PATR-IIのDAGはいずれもレコード構造とみなせる.レコード構造が有用であるのは,それが様々な見方ができるからである:1)部分関数 2)有向グラフ・有向木 3)有限状態オートマトン 4)属性-値対リスト 5)連想リスト 6)継承的メンバシップ関係を持った集合 7)添字付き集合 8)結合律・可換律・羃量等律が成り立つ代数的構造 9)無限ストリーム またHerbrand項が次のようにレコードの退化表現とみなせる点で,レコード構造をもつCILはDCGの自然な拡張とみなせる:1)次数が固定 2)引数が番号に指定 本論文では,最初にC1Lのレコード構造のモデル(PTT: Partially Tagged Tree)を示し,次にPTTのパターン表現としてのPSTを説明する.さらにCILで組込述語として提供しているPTT操作述語の紹介後,幾つかの応用により,言語情報解析におけるPSTの有効性を示す.CILは汎用日本語処理系LTB[1]の基本言語として利用されている.なお,本稿は[2]の抜粋である.
- 1988-09-12
著者
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