時間制御を取入れたシステム論理モデル作成法
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概要
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システムやソフトウェアを開発するに先立って行われる要求分析、要求定義の重要性が認識されて久しい。これまで要求を記述するための形式的なモデルと技法が種々提案されている。特にオフィスシステムの分析モデルとして、データフロー図(DFD)がよく知られている。DFDによる分析はまず、オフィスにおける帳票の動きや作業手順などをデータの流れ、変換活動、及びファイルという概念を用いて論理的に記述する。その上に計算機による処理部分を切り出し、要求仕様として用いる。しかし、上の方法ではどのようにDFDを記述することが論理的であるかが不明確である。またその記述の自由度が大きいために、書かれたものを検証することが難しいという問題がある。この点を改善するために、システムの実現手段を"完全"と仮定してDFDを記述するという提案がある。本論文では、このような研究の延長として、DFDにタイミングを取り入れたモデルと分析方法を提案する。事象とタイミングを手掛りに業務を分析すると、論理的なDFDの形態を規定することができる。それによって従来のDFDよりも記述の自由度が制限され、検証の可能性がより高められる。次に、実際の大規模なシステムを分析する機械的な方法を提示する。そこでは、対象システムを複数のローカルシステムに分割し、段階的な論理化を積み上げることによってシステム全体のモデルに至る方法を示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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