Bacillus subtilis var. aterrimusのアラニンラセマーゼ
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概要
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Bacillus subtilis var. aterrimusよりアラニンラセマーゼを約1000倍に精製し, その諸性質に検討を加えた. 精製標品はディスク電気泳動において酵素活性を示す主バンドのほかに僅かに夾雑タンパク質のバンドが認められた. ゲルロ過法によって本酵素の分子量は60,000と測定された. 本酵素の吸収スペクトルは280nm以外に420nmに吸収極大を示す. 酵素活性はカルボニル試薬により阻害されるが, ピリドキサール5'-リン酸(PLP)によって回復された. これらの実験結果から本酵素反応に補酵素としてPLPが関与していることが示された. 本酵素はアラニンに特異的に作用し, Km値は8mMであり, pH9.0-9.5で最も高い活性を示した. またpH8.3付近で最も安定であった. グリシンおよびL-α-アミノ酪酸は本酵素活性を若干阻害するが, ほかのL-アミノ酸は酵素活性に影響を与えなかった. 本酵素は諸種のSH試薬により阻害されるが, 基質のアラニンならびにグリシンあるいはL-α-アミノ酪酸は, この阻害から酵素を保護する. このことはSH基が本酵素反応に必須の役割を果たしていることを示唆している. 金属イオンおよびフラビン化合物は酵素活性にほとんど影響を与えなかった.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1975-08-25
著者
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