大豆煮汁における酵母の生育条件とフレーバーの生産条件 : 味噌醸造における大豆煮汁の利用に関する研究(第2報)
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概要
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前報において大豆煮汁に生育し芳香を発する菌株として Hansenula anomala IAM 4239 と Saccharomyces cerevisiae 88/74を選択したので, その生育と芳香の発生の条件を検討した. これらの2株の最適条件はそれぞれ次の通りであった. 大豆煮汁の希釈率は8倍と2倍ないし4倍, 生育適温は30度と25度ないし30度, 芳香発生適温は30度と25度, 芳香発生の最適pHはpH5とpH4であった. H. anomala IAM 4239 は培養経過と共に急激に酢酸エチル酸臭からコーヒー臭に変化した. 一方, S. cerevisiae 88/74 ではメープル臭を発した. ヘッドガスをGC-MSで分析した結果, ethylalcohol, 酢酸エチル等の数ピークを同定した. H. anomala IAM 4239 の場合は生育初期に大きな酢酸エチルのピークが現れ, 後期には ethylalcohol のピークが顕著になった. S. cerevisiae 88/74 の場合は初期に ethylalcohol が生産され, 漸次減少した.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1975-06-25
著者
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