圧搾パン酵母の耐久力と, 貯蔵中に生ずる細胞内プロティナーゼ活性増加とに対する代謝阻害剤の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
圧搾パン酵母が軟化する頃, 水洗浄で溶出するアミノ態窒素が急増するが, 酵母が有する3種類の細胞内プロティナーゼ中プロティナーゼC活性だけが, 溶出アミノ態窒素の急増と平行して増加する.そこで, 圧搾酵母の軟化とタンパク分解あるいはプロティナーゼC活性の増加との関係を明らかにするために, 圧搾酵母を種々の代謝阻害剤で処理した後30℃で貯蔵し, プロティナーゼC活性と耐久力の変化を検討した.弗化ナトリウムはdiethyl pyrocarbonate(DEPC)と同様に耐久力を著しく減少させたが, マロン酸と2,4-dinitrophenol(DNP)は大した影響を与えなかった.プロティナーゼC活性は, DEPC処理酵母では処理直後既にほぼ最大値に達し, マロン酸処理酵母では貯蔵中に徐々に増加したが, 他の処理酵母ではすべて対照と同様に軟化近くで急増した.これらの結果から, プロティナーゼC活性増加やタンパク分解は圧搾酵母の軟化に対する必須要因ではなくて, 軟化に随伴する現象であると推論された.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1975-12-25
著者
関連論文
- 圧搾パン酵母の耐久力と, 貯蔵中に生ずる細胞内プロティナーゼ活性増加とに対する代謝阻害剤の影響
- パン酵母の貯蔵中における細胞内タンパク質分解酵素の活性化
- 乾燥酵母に關する研究 (第3報) : パン酵母の乾燥方法に就いて (其の2)
- 乾燥酵母に關する研究 (第2報) : パン酵母の乾燥方法に就て (其の1)