熱殺菌に関する研究 : (第8報) 熱による細菌胞子不活性化過程に関する複合反応模型について
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概要
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Bacillus subtilis 胞子の加熱生存曲線は1次反応速度式であらわされることを測定した. しかし生残胞子群の特性を未処理胞子と比較してしらべた結果, 稀薄栄養培地でのコロニー形成能力ならびにある種の殺菌剤に対する抵抗力の2点において劣性化しているものが一部存在することが明らかになった.この事実に着目し, 無損傷胞子と死滅胞子の中間的存在として熱損傷胞子を仮定して三者の破過曲線を測定したところ, 生存胞子総数は片対数紙上で過熱時間に対し直線的に減少するが無損傷胞子は上に凹型の減少曲線を示した.このことから, 胞子の加熱不活性化過程は(1)未熟処理胞子集団内に少なくとも2種の活性分布が存在し, (2)熱損傷胞子を加えた3種の生胞子活性状態間の遂次不活性化反応を含み, (3)各活性状態から死滅胞子への併発死滅反応を伴なう……複合反応として取り扱うことができることを明らかにした.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1970-12-25
著者
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