高温におけるしょ糖転化酵素反応の動力学的研究
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概要
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市販酵母インベルターゼによるしょ糖転化反応について温度の影響を検討した結果, 常用温度におけるMichaelis-Menten式中のk定数とK_m定数に対する活性化エネルギーならびにエンタルピー変化はそれぞれ8.5(kcal/mole), 1.4(kcal/mole)であった. 酵素熱失活の生ずる温度におけるこれらの反応定数を完全混合流通反応法により測定したところ, 常用温度におけるArrhenius型プロットの外挿からは予測できない異常値を示し, 酵素失活の影響を除いた仮想的な反応速度でさえも温度上昇とともに低下する傾向があることが判明した. また, 使用インベルターゼの熱失活速度は, 反応初期と後期とでことなった1次反応速度定数を有する非対数性曲線としてあらわされ, 基質ならびに反応生成物の濃度によって酵素熱失活の保護作用が認められた. 以上の, 高温における酵素触媒活性の変動ならびに反応液中の酵素熱失活現象に関する知見にもとづいて, しょ糖転化酵素反応の最適温度制御の方法を示した.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1972-09-25
著者
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