林冠動態モデルによる間伐効果予測(I) : 間伐後の林冠表面形状の動態
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概要
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スギ人工林を対象に間伐後の林冠の表面形状の時間的な変化を予測した。陽樹冠の形状および個体の梢端の3次元位置から, 任意の位置の林冠高を個体別に求めることで林冠構造を推定し, 間伐後の樹高成長に伴う樹冠の発達や林冠孔隙の減少などを表現することができた。林冠孔隙率は間伐後の経過年数とともに指数関数的に減少することがシミュレートでき, 現実林分で報告されている相対照度の変化と類似した。無間伐区における林冠構造の変化は緩やかで, 個体の樹冠の変化は過去の樹冠サイズに由来し, 樹冠サイズの個体間差は拡大することが予測された。一方, 間伐区における林冠構造の変化は著しく, 個体の樹冠の変化は林冠孔隙の位置に由来しおもに拡大の方向に変化するものと予測された。これらの結果は現実林分で見られる林冠の変化と類似しており, モデルの妥当性を示すものと思われた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1992-07-01
著者
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