林冠動態モデルによる間伐効果予測(II) : 着葉構造と材積成長量の予測と検証
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概要
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間伐が個体の幹成長量に及ぼす影響の程度を、間伐実行前に予測しておくことはたいへん重要である。個体の幹成長量や間伐作業は葉の空間分布状態と関係が深いと考えられるので、スギ樹冠内の着葉分布状態を調べた。この結果、葉重量密度は樹冠表面からの高低差と幹軸からの水平距離に深い関係にあることがわかった。間伐後の林冠表面形状の変化を個体の梢の三次元座標値から推定した。この推定値を用いて、モデル対照林内の個体について梢からの任意の距離zにある積算葉重量F(z)と材積成長量を予測した。間伐直前のF(z)、間伐直前の材積成長量および間伐後3年間の全個体の材積成長量について推定値を求め、実測値との単回帰分析法によりモデルを検証した。推定値の精度はすべての場合5%レベルで満足できるものであった。このモデルを用いれば複数の間伐方法のなかから経営目的に適した最適な間伐方法を選択することができるため、本モデルの有用性は高いものと考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1994-07-01
著者
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