スギ落葉の分解に伴う非共生的窒素固定量の推定
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概要
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スギ落葉の分解に伴って非共生的に固定される分子状窒素量の推定を行った。落葉を排出口の付いたポットに入れて東京大学愛知演習林(愛知県瀬戸市)内のスギ林の林床に置き, 分解させるとともに, 定期的にその一部を採取してアセチレン還元能を測定した。活性は初年度と2年目にはみられたが, 3年目にはいるとほとんど認められなかった。降雨によってリターに供給され, またリターより流出する成分の分析を行った。そして全実験期間を通じてリターへの出入りの非常に少なかったマンガンの含量をもとに、リター分解に伴う重量減少を推定した。さらに, 試料採取後24時間の活性とそのときの推定重量の積を全期間にわたって求めることによって, 一定量の落葉が分解される間に固定される窒素量を求めた。これは0.7mgNg^<-1>で, 当初のリターの窒素量の約10%であった。この付近の落葉量の平均値(4tonha^<-1>yr^<-1>)から, スギの林床での落葉分解に伴う非共生的窒素固定量はおよそ2.8kgha^<-1>yr^<-1>と推定された。
- 日本森林学会の論文
- 1986-08-25
著者
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