硬松類の種間交雑の可能性
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概要
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京都大学農学部附属演習林上賀茂試験地におけるマツ属の交雑育種研究は1960年に始まり, 種間における交雑の可能性の検討と創製されたF_1,F_2雑種の生育上の諸特性の調査が行われている。現在までに調査した120の組合せ交雑の結果は次のとおりである。1)交雑の可能な種間は, Pinus thunbergii PARL.(雌性親)とP.densiflora S.et Z., P.massoniana LAMB., P.luchuensis MAYR, P.tabulaeformis CARR., P.khasya ROYLE, P.taiwanensis HAYATAの組合せ, およびP.densiflora(雌性親)とP.thunbergii, P.taeda L.(雌性親)とP.rigida MILL., P.rigida(雌性親)とP.taedaの組合せであった。2)推定雑種の得られた組合せはP.densiflora(雌性親)とP.massoniana, P.tabulaeformis, P.taiwanensisの組合せ, P.massoniana(雌性親)とP.densiflora, P.thunbergiiの組合せ, P.virginiana MILL.(雌性親)とP.rigida, P.clausa(CHAPM.)VASEYの組合せ, P.muricata D.DON(雌性親)とP.rigida, P.pungens LAMB.の組合せの9種間交雑であった。3)種間における交雑の可能性からの類縁関係はLITTLE and CRITCHFIELDらによるマツ属の分類によく合致した。
- 日本森林学会の論文
- 1986-10-25
著者
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