同齢単純林における直径分布の解析とその生長予測への応用(II) : 直径分散の変化について
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概要
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直径分布の歪度が変化しない場合の単木の生長式を仮定し, その式に基づいて直径分布を変換する際に生ずる直径分散の変化について考察した。このモデルによれば, 分散の変化は, 大径木ほど生長量が大きいことによる分布の拡散化に基づく項と, 単木の生長式で説明できない誤差に基づく項に分離して考えることができる。実際に林分資料を解析した結果, 誤差項の絶対的な大きさは林齢に対し特定の傾向を示さず, ほぼ一定とみなせることがわかった。しかし, 直径分散は林齢に対し下に凸で増加を続けるため, 分散の各期間の変化量に対して誤差項の寄与する割合は, 高齢になるほど低下することが明らかとなった。こうした結果に基づき, 平均直径および分散の変化を推定するモデルを示した。そして, このモデルを用いて, 直径の変動係数が林齢に対し微増傾向を示すことを説明した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1985-08-25
著者
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