林道からの距離別にみた森林施業の実態解析
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概要
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民有林で整備されている森林簿をはじめとする各種森林情報を用いて、皆伐、造林、保育等の森林施業がどの程度行われているかを、林道からの距離で区分して解析した。その結果、人工林の皆伐は、林道から100ないし200m以下のごく近い森林に集中し.それ以遠では急激に実施割合が低下した。天然林も林道から近い森林で皆伐割合が高かったが、遠い森林でも多少の皆伐がみられ、距離との関連は弱かった。人工造林にも皆伐と同様の傾向が保持され、林道から遠い森林で造林面積に占める拡大造林の割合が高まることが確認された。これに対し下刈り、雪起し、除伐など人工林の保育作業は、林道からの距離にあまり関係なくほぼ一様な割合で実施されていた。そして人工林の間伐は、皆伐と保育の中間的特徴を示し、ほぼ林道からの距離に従って実施割合が低下することが認められた。以上の結果から、林道の効果の現れ方は施業の種類によって若干異なるものの、森林施業の活性化に林道がきわめて重要であることが示された。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1994-05-01
著者
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