新たな幹曲線式の理論的導出
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概要
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樹木の幹は樹冠からの光合成生産物を蓄積して構成されているが, この点に着目し樹冠と関連づけて導かれた幹曲線式はこれまでなかった。本論では, 樹冠による光合成生産物がその着生位置よりも下側の幹に均等に配分されると仮定し, 樹高, 枝下高, 樹冠形を適当な関数で与え, 新たな幹曲線式を理論的に導いた。この幹曲線式は, 樹冠内部と枝下部分がそれぞれ異なる関数で表現され, 断面高xのほか年齢tを変数にもつ。この幹曲線式の適合性をみるため, 樹幹解析資料から必要なパラメータを推定し, 幹形の経時変化を図示した。その結果, 得られた幹形は実際の幹形よりもやや梢殺で, 直径成長に頭打ちがみられたが, 年齢とともにしだいに完満化していく一般的な傾向が再現された。また同じく光合成生産物の垂直配分を扱った篠崎らのパイプモデルとの関連を検討し, それぞれのモデルの特徴について考察した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1989-11-01
著者
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