同齢単純林における直径分布の解析とその生長予測への応用(I) : 歪度変化の動向とそのメカニズム
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概要
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人工林の直径分布の歪度に関し, 生長, 間伐, 枯損に伴う変化を解析し, 歪度を変化させる要因とその機構について考察した。スギの場合, 林分密度がある一定の水準以下では, 主林木の歪度は安定しているが, その水準を越えると増加傾向を示し, 分布が左偏化することがわかった。ヒノキでは, 歪度の変化と林分密度の関係は明確ではなかったが, 極限密度に近い無間伐林分で歪度の増加が認められた。また間伐による歪度変化の動向が, 林分の生長段階により異なることがわかった。すなわち, 間伐木が利用可能径級に達する以前は除伐的間伐により歪度が増し, 達した後は利用間伐により歪度が減少する傾向にあった。そして枯損も歪度を変える要因のひとつであった。とくに林分密度が高く競争が激しい場合には, 小径木から順次枯損が生じ, 歪度が顕著に増加した。以上の結果を総合し, 直径分布形の変化に関する傾向の概要をとらえることができた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1985-04-25
著者
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