アカマツおよびクロマツのディスコシア葉枯病
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概要
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島根県の苗畑でしばしば発生するアカマツおよびクロマツの葉枯性病害について, 病徴・標徴および病原菌を観察し, 病原菌の生理的性質および病原性を調べた。本病は8月下旬〜9月に発生し, 侵された葉ははじめ黄色に, ついで褐色に変色枯死する。罹病葉上には, 円盤状の小黒点(柄子殼)が多数形成される。病原菌はDiscosia pini HEALDと同定された。柄胞子の発芽は10〜35℃で認められ, 最適温度は25〜30℃であった。また発芽には水滴が必要であった。菌そうの生長は, ジャガイモ煎汁培地で良好であり, 8〜30℃で生長が認められ, 最適温度は25〜30℃であった。またpH3.6〜8.0では, ほとんど生長差が認められなかった。接種試験の結果, 有傷苗のみが罹病した。接種試験および野外観察の結果から, 本病原菌の病原性はかなり弱いものと考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1976-04-25
著者
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