林道および作業道の路面の支持力に影響を及ぼす因子について
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概要
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本研究は林道および作業道の路面の支持力がどのような因子によりどの程度影響されているかを知るために試みたものである。調査の対象路線は林道10路線, 作業道7路線で, 測点数は284点である。なお, 平板載荷試験には衝撃式地耐力測定器を, 現場CBR試験には球体落下式簡易CBR試験器を使用した。測定結果は統計的手法により電算処理した。1)林道と作業道の路面支持力に差異が見られ, 林道, 作業道における値は平均の支持力係数(K_<30>)で19.31kg/cm^3,14.84kg/cm^3,平均CBRで47.58%, 18.85%であった。2)路線別の路面支持力値については, 作業道の平均支持力係数を除いて, 平均値の差に有意差が認められた。3)路面の中央, ワダチ, 路肩, 待避所の位置における支持力に有意差が認められた。林道の支持力値はワダチの位置がもっとも高く, つづいて中央, 路肩, 待避所の順であり, 作業道の場合は中央がもっとも高く, ワダチ, 路肩, 待避所の順であった。4)路体を形成している材質別の路面支持力には有意差が認められた。5)道路作設後の経過年数別の路面支持力は林道の場合, 作設後1年以内にもっとも低い値を示し, 作業道では, 作設後2〜3年にもっとも高い値が現われた。6)起点からの延長距離に対する支持力は林道, 作業道ともに起点に近いほど高い値を示した。7)測定者の観察に基づく路面状況の良否に対する支持力値は, 林道の場合, それを裏づける傾向を示したが, 作業道では, その相関関係を把握することができなかった。8)路床土の自然含水比に対する路面支持力の関係は林道の場合支持力係数(K_<30>)で含水比30〜39%のとき, またCBRは含水比20〜29%の範囲でもっとも高い値を示した。作業道ではK_<30>, CBRとも含水比の低いほど高い値を示した。9)支持力に及ぼす測定日の天候の影響はほとんど認められなかった。10)今回取り上げた因子の支持力に対する相互関係を, 数量化手法により検討したが, 路面の位置による因子がもっとも大きく現れた。
- 日本森林学会の論文
- 1975-05-25
著者
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