ヒノキ針葉および花粉のアスパラギン酸アミノ転移酵素アイソザイムの遺伝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
12精英樹クローンとそれらの交配により育成した25家系を用いて, 針葉のアスパラギン酸アミノ転移酵素アイソザイムの遺伝子分析を行った。親クローンではRf40,Rf41,Rf43の3本のバンドからなる3種類の表現型が確認された。子供群における表現型の分離を調べた結果, 針葉で出現した3種類のバンドバターンは単一遺伝子座にあるGot^sとGot^Fの2個の対立遺伝子によって支配されていることが明らかになった。ヘテロ接合型の個体では, ホモ接合型の個体で出現しない雑種酵素(Rf41)が検出された。また, 精英樹, 6クローンの花粉と針葉におけるザイモグラムを比較したところ, 花粉ではRf40,Rf43,Rf46の3バンドが観察され, 針葉では見られない花粉に特異的なRf46のバンドが出現した。花粉ではヘテロ接合型個体の針葉で現われる雑種酵素は検出されなかった。このことから, Got遺伝子座によって支配されているアスパラギン酸アミノ転移酵素アイソザイムはダイマー(2量体)であることが明らかになった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1986-12-25
著者
関連論文
- 富士山麓青木ヶ原におけるヒノキ天然林のアイソザイム変異
- スギ林分内個体の競争と生長の年次経過
- スギ苗木の高さと根元直径についての遺伝子分散と優性分散の分割
- ヒノキの遺伝力
- スギの採穂台木に対する処理が発根率に及ぼす影響の一例
- 採種園内の黄金スギの自然自殖率と種子の形質
- ヒノキの二つのアイソザイム遺伝子座における遺伝的変異と分化
- マツノザイセンチュウに対するアイノコマツの抵抗性
- 発根困難なスギ, ヒノキの精英樹のさし木に対するエクベロン(インドール酪酸)の効果
- ヒノキ針葉および花粉のアスパラギン酸アミノ転移酵素アイソザイムの遺伝