2,3の機械的処理によるカラマツの着花結実促進
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概要
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カラマツの推定樹齢が少しずつ異なるみしょう2群(A : 14〜15年, B : 11〜12年)と接木クローン群(8〜11?年)に1965年から, 連年あるいは隔年に機械的方法による処理を加えてその着花結実促進効果を調べた。せんてい整枝, 枝の引下げおよび環状剥皮の3種の処理方法のうち, 剥皮のみに顕著な着花促進効果があった。しかし, その効果もB群と接木クローン群では, ほとんど雄花芽しか分化せず, A群において初めてある程度の雌花芽分化を促した。すなわち, 剥皮処理がカラマツの雌花芽分化・結実促進に効果を生ずるには, 採種木がある発育段階に達している必要がある。この段階は, 樹体の大きさと樹齢との組み合わされたものとして理解されるが, 量的には胸高直径20cm以上というのも一つのめやすとなる。連年剥皮処理の場合もある程度以上の数の球果をつけると, 隔年処理の場合と同様に, その翌年はほとんど着花しないが, 雄花しか分化しない時は年々続けて高い着花数を維持できる。いずれの場合も, 高密度の着花は枝の着花可能部分を減少させ, その回復には2〜3年以上の休養を要する。環状剥皮をカラマツ類採種園に適用するに当たっては, 十分な植栽間隔による樹体の早期育成と, 一定面積ごとの周期的処理(2〜3年以上)による採種木の休養・樹勢維持とを, 図る必要がある。
- 日本森林学会の論文
- 1970-08-25
著者
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