組合せ交配による2,3の日本マツ類における稔性差異
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マツ類における交雑育種の研究のため, クロマツ×アカマツと, クロマツ×天然アイグロマツの組合せ交配(13×20)を行なった。その結果, 交配稔性(種子生産力)に関して次のことが明らかになった。(1) 母本, 父本間に顕著な稔性の違いがあり, いわゆる, 一般組合せ能力に差異のあることが認められた。(2) 父本の稔性値と雑種性との間には高い相関が認められたので交配稔性の差異は遺伝子構成の異なる2つの組織, すなわち, 胚組織と雌性配偶体組織との親和性, または交互作用によると, 推定された。(3) 雑種性の指数としては, 解剖学上針葉における2層以上の下表皮厚膜細胞数のほうが, 樹脂道指数(R.D.I.)よりはるかに相関が高かった。(4) 交雑親和性遺伝子を有すると推定された特殊個体DEN S_1が, 20の父本の一つに認められた。これは解剖学上アカマツと分類される個体であるが, その高い稔性から, 交雑親和性遺伝子を有する"潜在的雑種アイグロマツ"と定義できると思われた。
- 日本森林学会の論文
- 1970-06-25
著者
関連論文
- 15年生天然アカクロマツOP家系の生長および幹形特性に関する主成分分析
- RAPDマーカーを利用したユーカリ属植物の産地識別法の検討
- ユーカリプロトプラストからの苗条原基の作出と苗化
- 王子製紙における早成樹種のバイオテクノロジー(バイテク研究はどこまで進み, 何が期待できるか)
- いくつかの広葉樹の移植における"エスレル"処理の効果
- エスレル利用によるユーカリ苗の移植における活着促進効果
- 組合せ交配による2,3の日本マツ類における稔性差異
- Expression of a Bacterial Endoglucanase Gene in Tobacco Increases Digestibility of Its Cell Wall Fibers (〔三重大学地域共同研究センター〕平成11年度 共同研究成果報告)
- C15 パーク堆肥中における昆虫寄生性線虫Steinernema glaseriの昆虫への移動,感染性および生存に及ぼす温度,水分の影響(線虫学)
- S43 パルプ原木のバイオテクノロジー
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第8報) : E. camaldulensis, および E. globulus における成長錐コア採取最適位置について
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第7報) : E. globulus における樹幹内変異を利用した材特性とパルプ特性との関係
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第6報) : E. camaldulensis における樹幹内変異を利用した材特性とパルプ特性との関係
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第5報) : E. camaldulensis, E. globulus における容積重, および材形質含量の樹幹内変異と標準値を示す位置について
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第4報) : E. camaldulensis, および E. globulus におけるヘミセルロースを構成する中性糖モル比の樹幹内変異と標準値を示す位置について
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第3報) : E. camaldulensis, および E. globulus におけるリグニン含有率, およびリグニンS/G比の樹幹内変異と標準値を示す位置について
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第2報) : E. camaldulensis, および E. globulus における抽出成分含有率の樹幹内変異と標準値を示す位置について
- ユーカリの材質育種における選抜指標抽出に関する研究(第1報) : E. camaldulensis, および E. globulus における多糖類含有率の樹幹内変異と標準値を示す位置について
- 海外植林とバイオテクノロジー