中山間地域における農林業生産と定住促進政策に関する意向調査の分析 (I) : 中山間地域への移住の可能性に関して
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概要
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農山村地域に住民が定住し,そこで日常的に農林業生産に従事することは,地域環境の維持に大きな役割を果たす。われわれは,定住方策を考えるための前提となる,都市と農山村双方の住民の意識がどのあたりにあるのかを明らかにするため,中国地方を対象とした意向調査を実施し,分析した。本報告では,そのうち,農山村地域住民の農山村での居住の意向および都市と農山村との双方における,都市から農山村への住民の移動・定住の可能性とそれに伴う諸問題について明らかにしようとした。その結果,前者については,今後も居住する意向である農山村住民が多いのであるが,その理由は消極的なものが多く,いわば"惰性的定住"といえる。後者については,農山村側には受け入れに不安をもつ者が約3分の1存在し,都市側も条件次第という意見が多い。しかし,無条件で移住を希望する都市住民は比率こそ低いが,潜在的希望者は絶対数としては相当の人数に上ると考えられ,Uターン,Iターン者による定住と地域の活性化が期待できるものと考えられる。
- 日本森林学会の論文
- 1995-09-01
著者
-
北川 泉
島根大学農学部農林経済学科林業経済学研究室
-
北川 泉
島根大学長
-
伊藤 勝久
島根大学農学部地域開発科学科
-
北川 泉
島根大学農学部
-
井口 隆史
島根大学生物資源科学部
-
井口 隆史
島根大学農学部
-
伊藤 勝久
島根大学生物資源科学部
-
伊藤 勝久
島根大学農学部
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