労働科学的視点からみたトラクタ集材路間隔

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概要

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トラクタ集材のウィンチロープによる木寄作業に関して、作業者の筋力限界や生理的負担限界など作業者の立場に立った木寄作業範囲から木寄距離を検討し、斜面勾配に応じた集材路間隔や路網密度を試算した。筋力限界による木寄距離を求めるためにウィンチロープ延伸力の試算やロープ引き出し実験を行い、最大筋力比60%のロープ引き出し力を許容限界とする木寄距離を求める式を導いた。また、生理的負担限界による木寄距離を求めるために模擬的木寄実験を行い、予測最高心拍数の80%および酸素負債3lを許容限界とする木寄距離を求めた。その結果、使用ワイヤロープ径を12mm、ロープの摺動抵抗係数を0.55とする条件において、集材路をはさんで斜面上部と下部の両側集材をする場合の集材路間隔は斜面勾配10°で149.4m、20°で95.3m、30°で77.5mとなり、斜面勾配が急になるにつれて集材路間隔を短くすることが必要であることが示された。
1994-09-01

著者

今冨裕樹
森林総合研究所

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