アイソザイム遺伝子型による千葉県山武地方のスギさし木在来品種の育種母材のクローン分析
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概要
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林木の遺伝育種の研究機関に育種母材として集植されている千葉県山武地方産のスギ在来品種計57個体を調査した。ポリアクリルアミドゲル平板垂直電気泳動法で9酵素種, 12遺伝子座のアイソザイム分析を行った。7遺伝子座(Shd-1,6Pg-2,Gdh, Mnr-1,Got-1,Got-2,Pgm-2)では変異がなく, 5遺伝子座(Shd-2,6Pg-1,Dia-3,Lap, Aap-1)で複数の遺伝子型が検出された。これらの遺伝子型の違いによりクローン識別を行い, 千葉県林業試験場のサンブスギとの関係を調べた。その結果, 1)調査した57個体は13クローンに識別された。2)故若名栄四郎氏所有の林分由来の5個体は3クローンに識別され, うち2個体はサンブスギと同一クローンと考えられた。また, 樹齢170〜240年生の3林分由来の計40個体の中で28個体(70%)が, サンブスギと同一遺伝子型を示し, これらの林分がサンブスギの採穂母樹林になっていた可能性が高い。3)福岡県林業試験場のサンブスギは3個体が同一クローンであったが, 千葉県林業試験場のそれとは異なる遺伝子型をもっていた。
- 1993-09-01
著者
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