豪雪地における局所的斜面形とスギの生育

概要

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豪雪地における8〜70年生スギ5林分の10〜25cm等高線入り地形図が, 光波距離計による地形測量によって精密に作成された。局所的な斜面形の範囲は, 地形図上に直径1〜8mのいろいろな大きさのサークルをかぶせたときの二つの局所的な斜面形要因, すなわち上下傾斜角差と地形曲率の最小分散から, 直径約4mのサークルが妥当と判断された。カウントされた各林分のサークル数は, 傾斜方向と等高線方向がともに凹型の地形, およびともに凸型の地形とでほぼ同数であった。残存木周囲のサークル数は, 8年生林分では凹型と凸型の地形間差異は小さいが, 加齢とともに大差が生じ, 28〜70年生林分の凹地形ではその数は著しく減少していた。また, 69〜70年生林分の凸地形では成長が良く, 根元曲がりの小さい残存木が多かった。凹地形の冬季の積雪深, 積雪の重量は凸地形よりも著しく大きかった。局所的凹地形におけるスギ立木本数の減少原因には, 大きな雪圧が関与していることが示唆された。
日本森林学会の論文
1993-07-01