癌性リンパ管症に伴う多発性気管支壁転移を認めた子宮頸癌の 1 例

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概要

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比較的大きな気管支内にポリープ状に発育し, 原発性肺癌との鑑別を要するendobronchial metastasisは最近注目されつつある。しかし, 多発性小隆起病変を来すendobronchial metastasisの気管支鏡的観察はない。我々は, 咳を主訴とし, 胸部レントゲン所見の比較的乏しい子宮癌術後患者で, 上記の所見を観察した。同部の生検で粘膜下に扁平上皮癌巣が認められた。その後, 胸部レントゲン写真は典型的な癌性リンパ管症の所見を呈した。小隆起病変は当初右上幹にのみ認められたが, 徐々に数を増し, 中幹, 下幹へと進展し, 周囲への浸潤融合傾向を見せた。本所見は癌性リンパ管症を背景にしていることや, その進展様式から癌性リンパ管症の気管支壁における一所見と考えられた。悪性腫瘍患者で, 頑固な咳を訴えるような場合, 胸部レントゲン所見が乏しくても, 早期の気管支鏡検査が必要と思われた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1983-06-25

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