気道内病変に対する内視鏡的 Nd-YAG レーザー治療の現状と将来への展望(Applied Bronchoscopy の現状と将来への展望)

概要

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気道内病変に対するNd-YAGレーザー治療を照射状況により, (1)救命救急照射, (2)予定照射に分け, 更におのおのをレーザー治療後, (a)開胸術施行例, (b)開胸術不施行例に分けて検討した。症例は1980年4月より3年2ヵ月間に経験した70例である。(la)は気管の腺様嚢胞癌2例である。(1b)は肺癌, 食道癌, 甲状腺癌の気管浸潤10例である。(2a)は外傷後気管狭窄1例, 肺癌8例である。(2b)は原発性肺癌24例, 転移性肺癌7例, 良性腫瘍2例, 炎症と肉芽病変12例, 気道出血4例である。救命救急照射は全例に気道開大が行なわれ, 所期の目的を達した。(1b)と(2b)の悪性腫瘍は充分な放射線療法, 化学療法を行なった症例に6ヵ月以上の生存が期待できた。中心型早期扁平上皮癌, 気道内良性腫瘍は本法により根治できる可能性がある。肉芽病変は炎症性反応が強いと2∿3ヵ月で再増殖する。本法の適応となる症例は少ないが, 本法以外に治療法のない症例がある。本法は気道内病変に対する不可欠な治療法としての地位を確立しつつある。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1983-12-25