術前気管支鏡検査による食道癌の気管, 気管支浸潤の診断に関する研究

概要

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気管, 気管支浸潤が疑われた進行食道癌40例の気管, 気管支浸潤の評価のため術前気管支鏡検査を施行した。浸潤の強さにより気管支鏡所見を(⫲) (+) (±) (-)の4段階に分け(&nh@ar;)と(+)を<浸潤あり>, (±)と(-)を<浸潤なし>と判定した。開胸術を施行し得た34例において気管支鏡所見およびCT所見を手術所見と対比検討した。上記の判定基準による気管, 気管支浸潤に対する気管支鏡の正診率は, 気管でsensitivity 93.8%, specificity 94.4%, accuracy 94.1%, 気管支で同様に85.7%, 75.0%, 79.4%であり, CTによる診断に劣らぬ成績を示した。また気管, 気管支内腔への浸潤がある場合には気管支鏡の質的診断能は極めて高く, CTではとらえられなかった情報を得る事ができた。進行食道癌においては, 拡大手術等の積極的治療の前に気管支鏡により気管, 気管支浸潤を評価する事が極めて重要と考えられる。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1990-09-25