気管支ファイバースコープに用いる先込め大把持鉗子の使用経験

概要

論文の詳細を見る
【背景】気管支ファイバースコープに使用される鉗子類は現在, 様々な種類のものがある。その中で異物除去等の把持を目的とした鉗子にはその把持力及び容量に限界がある。【目的】今回我々は主に異物除去を目的とした大型の把持鉗子(先込め大把持鉗子)を考案し臨床的に使用し, その有用性について検討した。【方法】先込め大把持鉗子は鉗子部分が通常の把持鉗子の1.5〜2.0倍と大きいため気管支ファイバースコープの鉗子チャンネルより挿入できない。そのため鉗子を一旦分解し気管支ファイバースコープに装着して使用する。本鉗子を気道出血後の凝血塊除去(5例), 粘稠な痰の除去(1例)に使用した。【結果】全例において2〜3回の除去操作で極めて容易にかつ短時間で気管〜主気管支を閉塞する程の凝血塊または痰が除去できた。これにより急速に低酸素血症が改善した。また今回の処置に伴い再出血等の合併症は生じなかった。【結論】先込め大把持鉗子は気道出血後の凝血塊や痰の除去に非常に有用であった。今後は気管支内異物除去やステント留置の際の補助器具としてなど有用性が広がると思われた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2001-11-25