空洞形成および気管支潰瘍を呈し, 気管支結核と鑑別を要した肺腺癌の1例

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概要

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患者は61歳, 男性。血痰, 咳嗽, 発熱を主訴に受診した。胸部X線上, 左中肺野に空洞を伴う腫瘤影を指摘, 胸部CT上, 左S^6からS^<10>にかけて内腔不整で, 壁の厚い空洞を認めた。また, 左上葉支は狭窄し, 左肺門リンパ節腫大を認めた。気管支鏡で, 左B^<1+2>c入口部に白苔を伴う潰瘍形成を認め, 左底幹各枝の入口部は全周性に狭窄を認め, B^<10>からは出血を認めた。左上葉支およびB^<10>から塗抹検査, 擦過細胞診および経気管支粘膜および腫瘍生検を施行。気管支鏡後第4病日に動脈性喀血を来たし救急蘇生にもかかわらず永眠された。永眠後, 気管支鏡結果で肺腺癌と診断された。肺癌と肺結核を含む感染症の鑑別に胸部X線や胸部CTは非常に有用であり, 本例は肺癌が疑える結果となった。気管支鏡および胸部CT所見は気管支結核ないしは扁平上皮癌の所見を呈した肺腺癌の1例を提示した。
2001-07-25

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