Liquid biopsyによる間質性肺炎の診断(<ミニ特集>「気管支肺胞洗浄による"Liquid biopsy"の臨床的意義」)
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概要
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目的.間質性肺炎におけるBAL(bronchoalveolar lavage)の役割は,診断・病態解析・予後などに幅広く応用されている.代表的な間質性肺疾患であるサルコイドーシス,特発性間質性肺炎,過敏性肺臓炎におけるBALの役割を明らかにする.方法.これまでに発表された文献をレビューし3疾患におけるBALの意義をまとめる.結果.いずれの疾患においてもBALは決定的な診断には至らないものの,サルコイドーシスや過敏性肺臓炎ではリンパ球増加を認め,CD4/CD8比は前者では3.5以上,後者では1以下となることが多い.また,特発性間質性肺炎では,リンパ球増加を認めた場合にIPF(idopathic pulmonary fibrosis)とCOP(cryptogenic organizing pneumonia),NSIP(nonspecific interstitial pneumonia)との鑑別が有用であると考えられてきたが,特にNSIPでは疑問視されている.病態面では,サイトカイン・ケモカインの測定と細胞分画の相関が認められ,線維化病態とTh2サイトカイン,MMPなどの関連が示唆されている.結語.診断や予後の面よりも病態解析に有用となる傾向である.
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 2004-01-25
著者
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