中枢気道狭窄に対するカバー付きウルトラフレックスの使用経験(<特集>気道狭窄に対する気管支鏡下治療)

概要

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背景・目的.Expandable metallic stent(EMS)の欠点である腫瘍のステント内浸潤が防げるカバー付きウルトラフレックスの利用が可能となり,その有用性,問題点について検討した.方法.2000年12月から2002年4月までに当院でカバー付きウルトラフレックスを留置した中枢気道狭窄7例について,その効果,合併症,臨床経過等を検討した.結果.症例の内訳は肺癌が5例,食道癌に対する食道ステントの圧排による狭窄が2例であった.気道の開大は全例に得られ,留置時には合併症を認めなかった.7例中5例で留置直後より呼吸状態の著明な改善を認めた.ステントの合併症として1例で留置1日後に喀痰喀出困難を認め,また1例で約10ヵ月留置後に肉芽形成による再狭窄を認めた.結論.カバー付きウルトラフレックスは,留置が容易で,腫瘍のステント内進展も認めず,食道ステントの圧排による狭窄に対しても十分な拡張力を持っていた.気道狭窄に対し有用な治療法であるが,早期の喀痰喀出困難,長期間留置後の肉芽形成が認められ,全身状態,予後に留意した慎重な適応症例の選択が必要である.
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2003-09-25