単純決定性言語に対する質問による学習に関する研究(機械学習)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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機械による学習に関する研究は, 人工知能の実現において最も重要な分野の一つである.その中でも形式文法の学習するアルゴリズムは, 最も古くから研究が行われてきた.しかし, 形式言語理論における基礎的な言語族に対してでも, 効率的な例からの学習の実現に否定的な結果が得られている.したがって現在では, 学習可能性を論じる新しい考え方を示すことが重要な研究課題となっている.本論文において, 文脈自由言語の真部分族である単純決定性言語に対する, 質問による学習可能性を考察し, 以下のように従来の研究よりも自然な仮定の下での効率的な学習アルゴリズムを示す.1.代表部分集合, 所属性質問および等価性質問による学習.2.代表部分集合および所属性質問による学習.3.所属性質問および構造反例付き等価性質問による学習.ここで, 代表部分集合はrepresentative sampleと呼ばれる学習対象の特徴を表す語の集合であり, 単純決定性言語は多くのプログラミング言語を若干の修正により表すことができる言語族である.特に2番目の結果である, 代表部分集合と所属性質問による学習は, 正則言語以外の言語クラスについて初めてその学習可能性が示されたものであり, 単純決定性言語が終止記号付き正則言語を真に含んだ一般性のある言語であることを考えると, 例からの学習の理論的発展に対する貢献は大きい.以上のように, 本論文における結論は, 理論的側面および実用技術的側面両方において新たな進歩をもたらした.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2001-11-01
著者
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