バーチャルタイムアルゴリズムの改良
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概要
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離散事象シミュレーションを並列に行うアルゴリズムのひとつにバーチャルタイムアルゴリズムがある.このアルゴリズムの効率を向上させる2つのアルゴリズムを提案する.パーチャルタイムアルゴリズムでは,シミュレーション対象間の同期を積極的にとることはせず,楽観的な予測に基づいて計算を進め,情報に矛盾が発生すると,矛盾が発生する以前の状態にロールバックするしたがって,効率を向上させるには「ロールバックの発生を少なくする」「ロールバックの処理コストを低くする」ことが重要である.第一の改良アルゴリズムは,発信者識別可能性と2つのオブジェクト間のメッセージ到着順序の保存性を仮定して,ロールバックする際に正しくないメッセージを一度に削除することによって,オブジェクトがありえないメッセージ系列を信じる可能性を減少させる.第二のアルゴリズムは,一度計算した結果をロールバックの際に削除せずに状態木として保存することにより,シミュレーション対象のプログラムの再実行を防止する.前者のアルゴリズムはアンチメッセージの発生を少なくすることにより,ロールバックの発生を少なくする効果を持ち,後者のアルゴリズムはロールバック発生時の再実行を防止することにより,ロールバックの処理コストを減少させる効果を持つ.提案したアルゴリズムを2つの例題に適用し有効性を確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-12-15
著者
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