棉の角斑病細菌のバクテリオフアージュに關する研究, 豫報
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概要
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病葉を擦り潰し之に約10倍の水を加へて10℃に3週間放置したものからフアーヂュを分離する事が出來だ。この溶菌力は可なり強く, 3囘目の瀘液に於て既に19^6lt;-7>を示し, 1/100稀釋液(7囘濾過)の1白金耳によつて4個の溶菌斑を得てゐる。この作用は25°-31℃の間に於て強く, 25℃から28℃附近が最高らしく, 病原菌の方の成長適温と略ぼ一致して居る様である。37℃になると非常に作用が衰へて來る。怖らくはこの邊が最高温度であらう。最低は10℃少し下つた處にあると思はれる。フアーヂュを培養して居ると, やがてこのフアーヂュに對して溶菌作用をうけない所謂抵抗性細菌が非常に多數出現して來る。併し今日まで調べた處によると, この抵抗性細菌は病原性の上では, 特に取り立て, 差異がある様に思はれない。寒天上に形成せられる溶菌斑は寒天の濃度によつて, その大きさ及び擴大して行く程度が異る。一般に寒天の少い程溶菌斑は大きく且つ擴大の程度も著しい。
- 日本植物病理学会の論文
- 1938-03-30
著者
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松本 巍
台湾糖業試験場
-
藤岡 保夫
琉球中央農業研究所
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松本 巍
From the Phytopathological Laboratory, Taihoku Imperial Universtiy
-
藤岡 保夫
From the Phytopathological Laboratory, Taihoku Imperial Universtiy
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