大豆紫斑粒病原菌の胞子形成について
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概要
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前報文に於て既に述べたる如く、大豆紫斑粒病原菌の分生胞子造生は頗る稀なれども、今日までに觀察せられたるものを、更に追加せんとす。殺菌せる大豆病粒をペトリー皿に入れ、盛岡高等農林學校病理學實驗室 (冬期にして、室温書間 18-23℃. 夜間 5-18℃) に放置したるに、十日程して病粒上に分生胞子の造生せられたるを認めたり。察するに、この造生は温度と密接なる關係を有するものゝ如し。何となれば、この菌の分生胞子造生に要する適温は菌絲發育に要するそれよりも稍々低く、今日までの觀察に依れば 15-20℃ との間に位す。尚且この胞子は一般に濕度及び温度高き場合には造生後直ちに發芽し得る傾向あれども、低温の場合に於ては、造生後直ちに發芽せずして、そのまゝ殘存すればなり。上記の外尚分生胞子は病莢の内面、又は葉、莖及び子葉等に現出する紫褐色の病斑點、或は 10% ブドウ糖混入の馬鈴薯寒天上等にも往々認められたり。本菌は上述の分生胞子の外尚屡々厚膜胞子をも形成す。但しこれは前報文に於て述べたる厚膜胞子類以菌絲とは異るものなり。
- 日本植物病理学会の論文
- 1928-10-26
著者
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