大豆の紫斑粒に關する研究
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概要
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大豆粒の紫斑は Cercosporina Kikuchii sp. n. の寄生に起因す。該菌は唯に大豆粒に紫斑を生ぜしむるのみならず、子葉、尋常葉、莢、稀には莖等にも紫褐色の斑點を出現せしむ。罹病種子を播下ずれば、やがて種皮の表面に鼠毛様の黴状物密生す。之を檢鏡すれば橄欖色の擔子梗に無色長鞭状の分生胞子の着生せるを認む。本菌は莢の成長略完成せるも、未だ莢色の緑色を呈せる頃、莢壁を貫通して種實に達するものにして、紫斑部は主として種臍部の附近に多し。莢に挿傷を與ふる時は發病歩合殊に多し。本菌は特種の基體に培養せらるゝ時は夫等の基體に紫色を生ず。但し培養基の種類に依り紫色を生ぜずして褐變せしむることあり。是等の菌糸塊をアルコールに浸漬する時は、酒精液は鮮明なる赤色となる。該液は苛性加里に依り濃緑色となる。更に上述の紫、赤、兩色素の種々藥劑に對する溶解力をも研めたり)。尚此外PHに關する關係、本病と耐病性品種との關係等につきても聊報告せり。
- 日本植物病理学会の論文
- 1925-08-15
著者
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