(77) コンニャク根腐病に関する研究 : 第1報 根腐れ株から分離るされ Pythium菌の形態および病原性 (昭和46年度日本植物病理学会大会講演要旨)
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概要
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茨城県下のコンニャク根腐れ株から分離したPythiuln菌(茨城菌)の形態を調べた結果, 蔵卵器は不正球形, 平滑, 径17.5-32.5μ, 平均23.6μ, 雄精器はこん棒状をなし, 同, 株生が多く, まれに異株主が認められた。蔵卵器への付着状態は底着または側着で, 1蔵卵器に雄精器が1個つくものが多いが, 4-5個つくものもあった。卵胞子は球形で不充満であった。また, らせん状菌糸および膨状体が認められ, 菌糸は無隔膜で幅は2.5-7.5μ平均4.6μであった。これらの点は, P. aphanider-matumに類似するが, らせん状菌糸が認められることでやや異なる。つぎに大阪府大から分譲をうけたP. vexans, P. aphanidermatum, P. ultimum, P. debaryanumについて, 茨城菌とともにコンニャクに対する病原性, 寄主範囲, 培地上の諸性質などの比較を行なった結果, 分譲をうけた菌はいずれも根に水浸状の病徴を認めたがきわめて軽く, 病原性が強く, 寄主範囲, 培養上の性質も異なる茨城菌とは別のものと思われた。なお1970年夏, 福島県塙地方および長野県下伊那地方で根腐れ株を採集し, これから分離したPythium菌を茨城菌と比較した結果, 病原性および菌の-形態から同一のものと考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1971-06-30
著者
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