タバコモザイクウイルスの感染中にタバコ葉内に生ずる核酸について
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概要
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タバコモザイクウイルス(TMV)に感染したタバコ葉内の核酸をメチル化アルブミン(MAK)カラムで分析した。感染後5日目のタバコ葉内に, 0.5μg/mlのりボヌクレアーゼ(RNase)で消化されず, かつTMVのリボ核酸(RNA)と塩基組成の似ている異常RNAの存在を認めた。このRNAはMAK力ラムでデソキシリボ核酸(DNA)の分画の近くに溶出する。感染葉ではl8 s リポソームRNAへのP^ 32のとりこみが非感染葉より少なくなるが, これはTMV-RNAの合成が盛んになるためと思われる。またDNA依存のRNA合成を阻害するマイトマイシンC(MC)の処理で, 感染葉の28SRNAの合成は低下しない。 これはTMV-RNAがこの分画に同時に現われるためで, TMV-RNAはDNA依存の系と別の系で作られることを暗示した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1966-09-30
著者
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