灰色かび病菌 (Botrytis cinerea) 培養用無機塩培地
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概要
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Botrytis cinerea の in vitro 培養に用いるための無機塩培地 (MS 培地) を検討した。MS 培地はクエン酸三ナトリウム, MnSO_4, MgSO_4, ZnSO_4, NH_4NO_3, KH_2PO_4, CaCl_2, Na_2MoO_4, ビタミンAパルミテート及びシュークロースを含み, 本培地上で菌は旺盛に生育し, 多数の胞子を形成した。又, その生育速度はポテトシュークロース培地に近かった。本培地からいずれの組成を抜いても B. cinerea の生育速度は遅れた。特に MgSO_4, NH_4NO_3, KH_2PO_4, シュークロースのいずれかを抜いた場合 B. cinerea の生育は著しく低下した。本培地に B. cinerea の分生胞子を懸濁し, キュウリ葉に接種すると約85%の発病率 (拡大型病斑) を示した。この培養液から, NH_4NO_3, KH_2PO_4, シュークロースのいずれかを抜くと発病率は顕著に低下した。本培養液で培養した菌糸体に酵素処理をすると多量のプロトプラストが分離でき, そのプロトプラストは30〜60%の割合で菌糸体に復帰する能力を持っていた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1987-04-25
著者
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